社会保障の落とし穴

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第11回:増えそうな熟年離婚 〜 年金分割の落とし穴・振替加算

離婚件数は、平成14年の28万9,836組をピークに平成15年から6年連続減少しています。平成19年4月からの年金分割を見越した団塊の世代は、夫の退職金をもらってから離婚とそのときを待っているのかもしれません。

ただ、離婚件数と景気は連動し、景気が悪いと離婚件数は増えるという面白い統計もあります。最悪の景気低迷で幕開けした平成21年は、離婚が増えるのでしょうか。

かつては同居期間の短い離婚が大半でしたが、同居期間20年以上などの熟年離婚も増加しています。寿命の延びや離婚に対する考え方の変化なども、離婚にためらいがちな女性の背中を押しているのかもしれません。そこで今回は、熟年女性が勘違いしやすい年金分割の落とし穴についてお話しましょう。

性・年齢別平均点は2005年値 10段階評価の校正比を加入平均したもの
電通総研「世界価値観調査2005」国内結果レポート 2005年12月


振替加算は65歳から 夫婦の年金額のイメージ

加給年金は厚生年金に20年以上(生年月日により男性40歳、女性35歳以降15年〜19年)加入した人に、生計維持されている65歳未満の配偶者などがあるとき支給されます。 配偶者が65歳になると、加給年金はなくなり、代わって配偶者の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。

振替加算額
生年月日・昭和 金額 生年月日 金額
20.4.2〜21.4.1 112,400円 23.4.2〜24.4.1 94,100円
21.4.2〜22.4.1 106,400円 24.4.2〜25.4.1 88,200円
22.4.2〜23.4.1 100,300円 25.4.2〜26.4.1 82,000円

※配偶者の加給年金は、昭和18年4月2日以後生まれは396,000円


妻65歳で振替加算が加算後、離婚すると 〜 分割の対象期間 30年 ・分割割合2分の1の年金額のイメージ

これまで、妻に振替加算が加算された後夫が死亡または夫婦が離婚しても、妻に一度加算された振替加算は妻が再婚しない限り生涯もらえました。しかし、今回の年金分割で「振替加算」の内容が変わりました。夫婦の婚姻期間中の厚生年金の合計が20年以上あれば、妻の振替加算はなくなります。振替加算額が多い熟年妻には大きな痛手です。


熟年女性に有利と思われた年金分割ですが・・・

平成19年4月からスタートした「離婚時の年金分割」は、婚姻期間が長い熟年女性に有利と思われてきましたが、65歳からの離婚は要注意です。年齢が高いほど振替加算額が高いこと、年金分割時の振替加算を勘違いしている人が多いからです。

こんな筈ではなかったと悔やむ前に、知っておいて欲しい年金知識は、生命保険の保障に似ているかも知れませんね。

年金額 : 平成20年度価格


執筆:音川敏枝(ファイナンシャルプランナー)CFP®
ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士、DCアドバイザー、社会福祉士。
仲間8名で女性の視点からのライフプランテキスト作成後、FPとして独立。金融機関や行政・企業等で、女性の視点からのライフプランセミナーや年金セミナー、お金に関する個人相談、成年後見制度の相談を実施。日経新聞にコラム「社会保障ミステリー」、読売新聞に「音川敏枝の家計塾」を連載。 主な著書に、『離婚でソンをしないための女のお金BOOK』(主婦と生活社)、『年金計算トレーニングBOOK』(ビジネス教育出版社)、『女性のみなさまお待たせしました できるゾ離婚 やるゾ年金分割』(日本法令)。
HP: http://cyottoiwasete.jp/

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